10月16日の金曜ロードショーで久しぶりにプラダを着た悪魔が放送された。
吹替のミランダ役が夏木マリ様(大好き!)で、待ちに待った…という思い。
何度か、リクエストのメールを送ってた。
ソフト版の吹替のミランダ役は宮寺智子さん。
どちらもメリル・ストリープの囁くようなハスキーで説得力のある声色にとてもよく合っていて、テレビ版もソフト版も両方好き。
放送時間の関係で、ソフト版に比べて今回放送のテレビ版は色々なシーンがカットされていたので、まずはそこを挙げてみる。
私が気づいた部分だけなので、ほかにももっと細かくカットされてるかも。
10月16日の放送では、エンドロール以外におよそ15分程度シーンがカットされていた。
1.マイアミに出張していたミランダに帰りの飛行機を手配できなかったアンドレアが責められて、ナイジェルの所に愚痴を言いに行く前
2.ミランダのお使いでアンドレアがジェームズホルトのパーティーにデザイン画を受け取りに行く前に、アンドレアが友達と言い合いになる
→ここは、ランウェイで働きはじめたアンドレアが高価なものをまるで「取るに足らない」とでもいうように友達にあげちゃうところから、アンドレアの中で価値観が変わったことを示す場面なのでカットしないでほしかった…
3.ミランダがアンドレアやナイジェル、モデル達を連れてホルトのアトリエにコレクションを見に行く場面
→ミランダが口を窄めたり、口元を緩めたり、目を背けるリアクションの意味をナイジェルが説明してくれるシーン。これがあるから最後のシーンでミランダがアンドレアを見て口元を緩める動作で、アンドレアに対して非常に高い評価をしていたことが分かる
4.風邪を引いたエミリーにミランダが嫌悪感を示す
5.アメリカ版ランウェイの慈善パーティで、会場入りする前の階段でのアンドレアとエミリーのやりとり
→エミリーが体力が落ちて風邪を引いてしまうほどダイエットを頑張ってパリコレに備えていることが分かる
6.ノグチガーデンでナイジェルから写真を受け取るシーン
→アンドレアがファッション業界に染まりつつあることが分かる場面
次に吹替の翻訳で気になったところ。
一番は、事故に遭ったエミリーが病気でアンドレアに「あなたがプラダを着たとき」って言ってるところ。
ソフト版吹替では「ジミーチュウを履いたとき」、英語版でもジミーチュウと言ってるし、アンドレアは本編内で主にシャネルを着ているのでこのセリフがあると「プラダを着た悪魔」の意味がぼやけてしまう気がする。
主にプラダを着ているのはミランダ、エミリーはヴィヴィアンウエストウッド、アンドレアはシャネルを着ていることが多い。
私はこの映画が好きすぎて、仕事で失敗したりやる気が出なかったり落ち込んだら必ずと言っていいほど見てるのだけど(あとエリン・ブロコビッチも)、英語で見るときはメリル・ストリープの演技とか演出がすごいなぁって感動してる。
とくにミランダの登場シーンで、矢継ぎ早にエミリーに指示を出すところ。
感情があまりないような声色で淡々とエミリーに指示や要望を出す演技が怖くて好き。
その後ろでランウェイのスタッフがミランダを見ると踵を返したり方向転換したりして避けてるところも。
それからスティーブ(ミランダの2番目の夫)と離婚が決まって、パリのホテルで目を赤くしているところ。
メリル・ストリープのかすれた声で自分の娘たちのことをアンドレアに吐露するところで涙ぐんでしまう。
ここはメリル・ストリープの声を聴きたくて英語で見る。吹替だと「離婚して新聞に面白おかしく書き立てられてしまうこと」に注目してしまうけど、英語だと「娘たちから父親を奪ってしまうこと」に意識が向いて、心が痛くなる。
テレビ版とソフト版の声優さんの違いについて、一番違うなぁ!と思うのはナイジェル。
ソフト版は動作が女性的な部分もある男性、という印象が強くてパリのアンドレアの部屋である出来事によって喜びを表すところでLGBTっぽさが全面に出てくるのだけど、テレビ版は登場した時から「ゲイの人?」って思う。
それからテレビ版の吹替はソフト版に比べて「わかりやすい」
より多くの人が疑問を持たずに映画を見られるように「ランスルー」が「ファッションチェック」に言い換えられていたり、レターオープナーがペーパナイフに言い換えられていたりした。
待ちに待ったテレビ放映だったので、違うところを挙げてるだけでも楽しかった!
テレビ版も場面カットのないものがあるなら、そちらを放送してほしいなぁと思いつつまたリクエストを送ってしまうかも。