ヨガ教室に行ってみた!
駅前で「ホットヨガ 今なら体験レッスン500円!」というクーポンを貰ったので、ホットヨガに行ってきました。
ヨガ…と聞いてまず思い出したのはストリートファイターのダルシム。
ヨガ続けてたらヨガフレイムとか打てるようになるんかな。無理か。飛べるんかな。
あとは丸の内OLの皆さんとか、細身の奥様とか、片岡鶴太郎?
カレー好きだし、インドもまぁまぁ好きだし、痩せるかも?と思って軽い気持ちで行くことにしました。
500円だし。
受付は普通のスポーツクラブのような雰囲気でしたが、通ってる生徒の皆さんがみんな細くてびっくりしました。
インストラクターの人も細い。
あと肌がツヤツヤしてる。
あとピッチリしたモノを身に着けている。背中とお腹がバーンと開いたタンクトップみたいなのとか。
ヨガすげー!と思いながら、タブレットで署名したり、万が一のことがあったときの緊急連絡先を入力させられたりしました。
万が一のことって、ホットヨガってちょっと金持っててジムに通って「ボディメイク♡」とかやってるOLしかいない印象だったのですが、もしかしてかなり体がキツいことなのでは…とドキソワしました。
ドキソワしながら着替えやらマットやらを受け取り、美肌コース(特に選んだわけではないけどなぜかコレだった)に挑戦です。
まず更衣室でお着替えを済ませます。
スーパー銭湯とかの更衣室のような雰囲気でした。
着替えは今後レッスンに通う事になった場合、バスタオルと一緒に1回500円で借りるもののようです。
微妙にピッチリした「ぬののふく」ことTシャツとハーフパンツに袖を通すと、なぜかちょっとしっとりしていました。
指定されたロッカーに自分の服やら荷物やらをしまい、更衣室の前にいたインストラクターのお姉さんに声を掛けて、次の部屋へ。
ドラクエの「ここでそうびしていくかい?」みたいだな、と思いました。
装備したのはなんやらしっとりしてピッチリしている黒いTシャツとハーフパンツですが。
「ひのきのぼう」の代わりに丸めたヨガマットと「やくそう」の代わりのミネラルウォーターを持ってお姉さんについていくと、30畳ほどの薄暗い空間に案内されました。
「ヌルい岩盤浴」程度の室温。
うっすらと東南アジアとからへんのヒーリングミュージック的なボヨーンバヨーンビヨーンみたいな曲がかかっています。
ふと部屋の床を見ると、ゴロンゴロンと生徒の皆さんが転がっており、不穏なダンジョンのようでした。
インストラクターのお姉さんに促され、私も他の皆さんを盗み見ながらマットをセットしやくそうミネラルウォーターを横に置いて、
「よくそのポーズで新聞読めるな?!」
と色んな人に言われた胡座をかきながら待機していました。
※ 調べたところ私がやっていたのは「合蹠(がっせき)のポーズ」というポーズのようです。このあぐらをかきながら前に体を倒し、頬杖をついて新聞などを読んでいます。
やがて教室内の床に書いてある「マットをここに置いていいですよ」マークのほとんど全てにマットが敷かれた頃、先生(仮に…女性だったけど鶴太郎とします)が男性二人を伴って登場しました。
この二人は私の後ろと真横にマットをセット。
どうやら生徒のようで、所作を見るに、私のとなりにマットを敷いた人(仮にハゲ、とします)は後ろの人(仮に騒音、とします)に誘われて、初めてホットヨガにやってきたようです。
鶴太郎先生がBGMの音量を調整しながら、美肌コースの効能などを説明します。
若干機械の具合が悪く雑にリモコンを扱っている鶴太郎先生ですが、声色は優しく、ゆったりとしていました。その落差に「ヨガすげー!」と再び思う私。
鶴太郎先生の説明によると、私が参加した美肌コースはダンジョンレベルでいうと★★★くらい。
上級者コースが★★★★★で初心者コースが★だったので、なんだか知りませんがヨガは初めてだつってんのに中級者コースにブチ込まれた事を理解しました。
鶴太郎先生の指示により、「नमस्ते」と言いながら初対面の右側の奥様と左側のハゲと挨拶をします。
ハゲ、めっちゃいい笑顔!
輝いてるぜ!!
それからおなじみのネコのポーズなど簡単なポーズからホットヨガ体験が本格的に始まりました。
最初こそ「余裕だぜ!」と思っていましたが、徐々に鶴太郎先生のゆったりした、しかし早口な
「息を吸いながら右手を云々カンヌンして手のひらを外側に向け、息を吐きながら左手をドウタラコウタラして頭の上に~…視線は指先にぃ~」
という指示についていくのも必死状態に。
みんな肺活量なんて違うのに、呼吸の長さまで指示されるので私は大混乱です。
真正面の大きな鏡と鶴太郎先生と前列(私は2列めに居た)の生徒の皆さんの動きを見ながらマットの上で無様にゴロゴロしていました。
時計の針が20分をまわったころ、ポテポテと汗が床に落ちてきました。
鶴太郎先生は生徒が水を飲むタイミングも指示してくるので、マットの上で体育座りをしながら水を一口飲んで束の間の休憩を取っていると、「フシュルルルルルーーーー…フシュルルルルルーーーー…」という呼吸音が聞こえてきました。
騒音の呼吸です。
バヨーンビヨーンな曲の中でゆったりとそれでいて忙しく動いていた生徒さん含め、私も誰もそんな盛大な呼吸音を立てていないのに!
ボヨヨン空間を切り裂く騒音。
「これが万が一の事態か?!」
と思いましたが、どうやら騒音は息切れしている様子。
他の生徒の皆さんも背中にジンワリと大きな汗のシミを作っているくらいの運動量なので仕方ありません。
マットの上に座ったり寝転んだりするポーズ群から、今度は三角のポーズや立木のポーズといった立って行うポーズへ進みます。
「横の人とぶつからないようにぃ~」
と鶴太郎先生。
ぶつからないようにぃ~、と隣のハゲを見ると盛大に踊っています。
「みちづれのワルツ…!」
とか思いましたが違うようです。
よく見れば、よろけている…!
怖い!
ぶつかりそうで怖い!
マット同士は1mほど離れていますが、ねじりのポーズで明らかにヨロヨロしているハゲ。
そして騒音のやかましい呼吸音。
さらに、何か、異臭。
異臭がします。
最初は騒音かハゲの汗の匂いかと思ったのですが、どうも違う模様。
なんだ、めちゃくちゃ臭い。
ずーっと臭い。
っていうか私が動くとなんか臭い…。
どうやら、私が与えられた「ぬののふく」だと思っていたものは「ゾンビメイル」だったようです。
さらに激しくなる鶴太郎先生からの指示。
ゆったりした口調、を守りつつも指示がめちゃくちゃ早いので「あ?右手がなに?」と手がこんがらがり、私もハゲと同じくよろめきだし、ゾンビメイルからの呪い(もちろんこの場で脱ぐことは許されない)を受けつつ顔や頭皮からは汗がダラダラ溢れ
「うわ ちょっとした地獄」
と思っていると、瞑想タイムになりました。
マットにゴロンと大の字になって、自分の内側を見つめるタイムです。
私の内側にあるものと言えば
「臭い」「(騒音が)うるさい」「ハゲが怖い」の3点のみ。
瞑想に集中したくとも、「フシューーーーー…フシューーーーー…」というダースベイダーの呼吸かな?と思えるほどの騒音が私を瞑想の世界から引き戻します。
ヨガとか瞑想というのは心をゆったりリラックスさせるものではないのかな?と若干イライラしながら、1時間のレッスンが終わりました。
次々とヌル岩盤浴ダンジョンから脱出していく生徒さんを横目に、私には「かんゆう」があるので部屋に残されました。
鶴太郎先生に感想を聞かれたので「楽しかったですが、うるさかったです」というと、盛大に謝罪されました。
鶴太郎先生もこんなにうるさい生徒は初めてとのこと。女性だけのヨガ教室だとばかり思っていたのですが、私が行ったスタジオは男性も稀に来るらしく仕方のないことでした。
ヌル岩盤浴ダンジョンでの「かんゆう」は予想よりもアッサリと終わり、更衣室でようやくゾンビメイルを脱ぎ捨てます。
奥のシャワー室で汗やらゾンビメイルから発せられたバッドスメルを洗い流し受付に行くとさらなる「かんゆう」が待っていましたが、特に面白くもないので割愛します。
「かんゆう」の途中でハゲと騒音がやってきたので「ひのきのぼう」で殴ろうかな、とかはちょっと思いました。
ホットヨガレッスンは月4回コースで1ヶ月7800円、入会金が15000円でヨガマットとかなんやらかんやらの購入費用が30000円とかだったので「うん、おかねない!」と思いました。
金持ちの道楽かよ。
断るとき「男性が居て今日のように集中出来ないともったいないしイライラしてしまうので…」と断りました。
ありがとう!ハゲと騒音!
またなんか面白いモノがあったら行ってみたいと思います。